2010年12月9日木曜日

言葉が化けて訛りになる




化ける

日本の和菓子は、餡を練って色を付け、職人さんの技によって花や果実、その他様々なものに姿を変える。
素材をいろんな物に化けさせる素晴らしい技術は、日本が誇れる伝統的な技術である。

変化や化粧の「化」は、姿を変えるという意味を持った字である。
「化」は、左側が立っている人の姿で、右側が体をかがめている人の姿を表している。
立っている状態からかがんでいる状態に変化するという形から「化」は、姿を変える、すなわち化けるという意味を表している。

この化けるという言葉に草かんむりを付けると、花になる。
芽が出て、葉が付き、花が咲く。
植物が変化した結果が花となる訳だ。

化けるに言べんが付くと訛となる。
方言、お国訛りのことだ。
標準の言葉が変化したのが訛りになる。
パソコンでは表示されないが、この「訛」に化けるではなく花を付けると、やさしいとなる。
花のある言葉が、やさしいというのは、なんとも良い表現だ。
因みに、この字は国字、日本でできた漢字である。






革が化ければ靴になり、いろんなものに化けるお金=貨幣の「貨」は、お金を表す貝の上に化けるが乗っかっている。

この「化」をくっつければ、いろんな事物がその方向に変化していることも表現できる。
強化、酸化、欧米化、民営化、電化などなど、「化」は「→」みたいなものだ。


「化」という1つの字だけを見ても漢字の面白さをすごく感じる。
1つの符号で深い意味を持つことに感心してしまうのだ。



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