音楽を聴いて、切なくて胸が苦しくなったり、何か胸の内側からこみ上げる物が抑えられなかったりしたことはないだろうか。
映画を観て、目の奥が熱くて涙が止まらなくなったり、その世界に憧れ登場人物の1人になりたくなったことはないだろうか。
本を読んで、言葉の美しさに驚いたり、想像の世界に身をおいたことはないだろうか。
私の場合は、すべて Yes だ。
感化されやすいのか、単純なのか知らないが、何処に隙間があるのか知れないが、胸の奥の深い場所にすーっと入ってくる物がある。
それを遮るものは何もないし、いつも突然だ。テレビを観ている時。1枚の絵を観た瞬間。見たことのない風景を目にした時。乱暴に心の中に入ってくる。
心の中に入ってくる物は、良い物ばかりじゃない。哀しいこともやはり突然だ。
痛ましい事件を知った時。大切な人がこの世に別れを告げた時。大好きな選手が引退した時。やはり、心が苦しくて遣り切れない思いに潰されそうになる。
切ないと哀しいは、とても近い感情だ。どちらも心が苦しくてどうしようもないし、いつも突然である。
英語でも切ないも哀しいも哀しい sad だ。辞書を引いても、それが正しいと感じる。
「かなしい」を漢字で書くと、普通は「悲しい」か「哀しい」と書くが、「愛しい」とも書けるそうだ。
かなし・い 03【悲しい・▽哀しい・▽愛しい】
(形)文シク かな・し
一
心が痛んで泣きたくなるような気持ちだ。つらく切ない。《悲・哀》「母に死なれて—・い」「誠意が通じなくて—・い」
二
(古くは「愛し」と書かれた)
①身にしみていとしい。切ないほどにかわいい。《愛》「何そこの児このここだ—・しき/万葉集3373」
②心にしみるような趣だ。深い感興を感ずる。「みちのくはいづくはあれど塩釜の浦こぐ舟の綱手—・しも/古今東歌」
③見事だ。感心するほど立派だ。「—・しくせられたりとて,見あさみけるとなん/著聞17」
④残念だ。くやしい。「物もおぼえぬくさり女に—・しう言はれたる/宇治拾遺7」
⑤貧苦がつらい。「ひとりあるせがれを行く末の楽しみに,—・しき年をふりしに/浮世草子・永代蔵1」
〔切なさにつけ愛いとしさにつけ,感情が痛切に迫って心が強く打たれるさまを表す意が原義〕
派生━ げ(形動)・━ さ(名)・━ み(名)
大辞林 第三版
ふーん、納得。
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