2010年1月6日水曜日

奇跡の星




あけましておめでとうございます。
この正月に宇宙に関するドキュメンタリーを観た。その番組では160億年前に宇宙が誕生してから46億年前の地球誕生や太陽系、銀河やブラックホールなど宇宙の謎についてCGや様々な研究者のインタビューを織り交ぜながら分かり易く伝えてくれる興味深いものであった。
その内容も単に科学的な雑学ではなく、地球が如何に稀有な存在であり、宇宙の広大さが想像もつかないスケールであるかを実感させてくれる内容だった。

この番組を観て初めて知ったことも多く、あらためて地球は奇跡の星であることを再認識した。

太陽系の惑星の中で最も理想的な距離の軌道にあることは、多くの人が知っていることであるが、地球から遠く離れた木星や土星が地球上の生命の進化に深く関わっていたことは、あまり知られていないだろう。地球は過去に何度か巨大な彗星が激突している。その痕跡は世界のあちらこちらでクレーターとして残っている。大きいクレーターは直径数十キロにも及び、その衝撃が如何に大きかったかを想像させられる。彗星の直撃は多くの生命を絶滅させ、長い氷河期の始まりにつながっている。恐竜の絶滅も今では彗星の激突が原因であるという説が有力視されている。
この彗星は太陽系の一番外側にある小惑星群から太陽系の中心に向かってやってくるそうだ。その頻度は高く多くの彗星が太陽に吸い寄せられるように飛来するのだが、地球に激突する数を抑えてくれているのが大きな惑星である木星や土星なのだそうだ。多くの彗星が大きな木星の重力の影響を受け地球に辿り着くまでに木星や土星に激突するらしく、大きな惑星が存在しなかったら地球に到達する彗星の数は千倍近くにもなるそうだ。

太陽系の軌道はほぼ綺麗な円軌道であるが、これも天体の中では稀有な部類で、太陽系以外の多くの星は楕円軌道を描いているらしい。円軌道であることは太陽との距離が常に一定であり、生命を育むためには必要不可欠な条件である。
これにも木星と土星が関わっており、大きな惑星が外側に位置し、且つ2つまでだったから安定した円軌道を保てたらしい。もしも大きな惑星が3つ存在するとお互いが重力の影響を受け、軌道が乱れ円形を保てず惑星同志が激突して楕円の軌道になってしまうそうだ。

この地球に壊滅的なダメージを与える彗星は地球に災いをもたらすだけの存在だと思っていたが、生命の進化にも大きく関わっているらしい。地球は過去に彗星の激突により全球凍結という地球全体が凍りつく時代があったそうだ。これは当時赤道直下にあっただろう場所の地層からも痕跡が確認されている。
海が氷で閉ざされると何を切っ掛けに元の状態に戻るのか想像がつかないが、火山活動が関係し海中にCO2が増えて、地熱により氷が溶けたらしく、CO2が増えたことでコラーゲン繊維の生成が可能になり微生物以外の大きな体を持つ動物への進化が可能になったそうだ。
だから、破滅をもたらす彗星が生命を生み出す切っ掛けにもなっていたというから驚きである。
これも木星の影響がなかったら頻繁に彗星が激突し、人類のような知的な動物は生まれなかっただろう。

紹介したのはごくごく一部だが、私達の想像が及ばないスケールで偶然が幾つも重なり生命にあふれる奇跡の星 地球が存在している。どれ1つかが欠けても生命は生まれなかっただろうし、進化もあり得なかったはずだ。
災いしかもたらさないと思っていた彗星、遠く離れた木星の存在。全ての存在が関わり合い、現在の私たちが生きていると考えると感慨深いものがある。

新年を迎え、一人一人の存在が奇跡の結果であると同時に宇宙の中ではちっぽけなもののようにも思え、つまらない雑事に憂いているのが馬鹿馬鹿しいと思った。
宗教的なものではないけど、神のような存在がいるようにも感じた。宇宙は偉大だ。


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