2010年10月8日金曜日

ああだ、こうだ





「ああ」って何じゃと調べたが、広辞苑を引くと、こう書かれていた。

ああ 副
あのように。浮世風呂3「―はいかねへ」。「―でもない、こうでもない」「―言えば、こう言う」

そうである。
よくよく考えれば、「ああ」=「あのように」なのだ。
「ああは、上手くいかない。」は、「あのようには、上手くいかない。」と言っても全く同じ意味だ。
という訳で、「こう」も「このように」と読み替えれば、やはり意味が通ずる。

では、「あの」とか、「この」はというと、こういう意味だ。

あ‐の【彼の】
一 連体(もと、アは代名詞、ノは格助詞)
① 話し手から「あれ」と指せる位置にあるものことにかかわる意。自分からも相手からも遠い位置にあることを指示する。竹取物語「―国の人を、え戦はぬなり」。「―前に立っている人」
② 今の話題とは離れているが、自分も相手も知っている事柄にかかわる意。例の。「―事はどうした」「―頃はよかった」
二 感
口語で、話を切り出す時やすらすら言えない時に挟む、つなぎの語。あのう。「―、ちょっとお尋ねしたいんですが」

こ‐の【此の斯の】
連体(もと、コは代名詞、ノは格助詞)話し手から「これ」と指せる位置にあるものことにかかわる意。
① 自分の手に触れるほど近くにあるものを指示する。古事記中「―蟹やいづくの蟹」。「―本をあげよう」
② ①に述べたものを規準にして表せる位置を指示する。「―うしろを捜せ」今述べる事柄に関係する意。万葉集15「これや―名に負ふ鳴門の渦潮に」。「―年ごろずっと」「―点に注意」すらすら言えない時にはさむ、つなぎの語。また、相手を叱る時の強めの語。「―親不孝者」

要するに、This one と That one である。

彼 
〔彳部5画/8画/常用/40644860〕〔音〕ヒ〔訓〕かれ・かの
意味 ① 自分(たち)の側から見て第三者。あの人。かれ。あれ。此し。「彼我彼此ひし」中国語では多く「他」を用いる。
② あそこの。かなたの。あの。かの。「彼岸」
解字 形声。「彳」(=ゆく)+音符「皮」(=なめし皮を手でむこうへ押しやる形。はなれ去る)。むこうの方へ行く意から、あちら、の意。
難読 彼是 あれこれ、彼方 かなた・あなた・あち、彼処 かしこ、彼奴 きゃつ・あいつ


〔斤部8画/12画/27593B5B〕〔音〕シ〔訓〕これ・この・かく・ここに
意味 この。これ。「斯文斯学斯道」ここに。すなわち。「我欲仁、斯仁至矣=我仁を欲すれば、ここに仁至らん」〔論語〕
難読 斯様 かよう

というわけで、「彼」は「あれ」なのだ。
「私の彼はあれ」というと、「私のあれはあれ 」となる訳だ。


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