2010年7月27日火曜日

関白失脚



1979年にさだまさしさんが、『関白宣言』をリリースした。
当時、最近の男性はひ弱になったという話を聞き、世の男性を鼓舞するとともに、本当の亭主関白とはどういうものかを歌った曲だ。
コミカルな部分も受け、オリコン1位を記録したさだまさしさんの最大のヒット曲だ。
一部から男尊女卑との批判もあったが、関白宣言と言っても妻を愛する男性の思いを綴ったラブソングである。
この曲は良い曲だと思うが、私が好きなのは、1994年にリリースされた『関白失脚』である。
関白宣言し結婚して数年後を歌っている。
歌詞も演奏の演出も面白く、『関白宣言』よりも身に染みる内容だ。
面白いだけでなく、世の男性の声を代弁するメッセージソングは、元気付けられる内容にもなっている。
歌の出だしはこんな感じだ。

♪お前を嫁に もらったけれど 言うに言えないことだらけ
かなり淋しい話になるが 俺の本音も聞いとくれ

俺より先に寝てもいいから 夕飯ぐらい残しておいて
いつもポチと二人 昨日のカレー チンして食べる
それじゃあんまり わびしいのよ
  忘れていいけど 仕事も出来ない俺だが
  精一杯がんばってんだよ 俺なりに それなりに

と、勇ましく関白宣言したのは良かったが、現実はそんなに甘くはない。
誰もがこうなのかは別として、世の男性の悲哀を愚痴のようにユーモアたっぷり歌っている。
この曲も面白いだけではなく、家族を守るため戦うお父さんに向けた応援歌にもなっている。
CDに収録されているのは、ライブ音源が多いと思うが、観客の笑い声や後半の大合唱と高揚感が伝わってくる。
『関白失脚』は、『関白宣言』のアンサーソングでもあり、自身の曲をベースにした遊び心で作ったような曲だが、メッセージ性も高い良い曲だと思う。

聴いたことがない人は、一度聴いてみてほしい。
笑いながら聴き進む内に、最後は暖かな気持ちになるはずだ。

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