サンケイ新聞のホームページで面白い記事を目にした。
東京では、ビックカメラや高島屋の電子ピアノ売り場にホームレス風の謎のピアノマンが現われ、すごいテクニックを披露し、リサイタルのような状態になっているそうだ。
巧みな指運びでめまぐるしく曲調の変わる曲を弾き、通りかかる人はその凄さに思わず足を止めて聴き入ってしまう。
男性は、真野和男さん77歳。
平日は、ほぼ毎日、都内の家電量販店で自作の曲を演奏している。自宅には楽器はないそうで、家電店に来ては練習も兼ねて演奏している。
平成17年にリリースした自作自演のCDも売り場でMDに録音したという。
家電店で毎日電子ピアノを弾くようになって8年ぐらいだが、弾き始めた頃からたどると40年以上だという。
真野さんは太平洋戦争直後、食べ物にも困る状況で、高校卒業後は知り合いの紹介で米軍基地に勤め始めた。教会で聖歌隊の合唱の指揮をしたり、基地内のクラブで弾いたりし、アメリカの音楽に触れたのがこの時期だ。
その後、希望だった音大に入学するが、望んでいた音楽を教えてもらえないことが分かり、中途退学。
退学後は、作・編曲、バンド活動や音楽イベントの企画、音楽教室での指導に楽器のリース業など様々な活躍をされた。
高級車を乗り回したり、ホテルのバーに20本ものボトルをキープする派手な生活を送り、株でもかなりもうけたそうだ。プライベートでは、3回の結婚と3回の離婚を経験。
48歳で突如、ぜんそくを患い、療養のために八丈島で暮らし、東京に戻って来た時には、すでに60代半ばだった。
音楽への思いは強く、慣れ親しんだ電子ピアノ売り場へ舞い戻ったそうだ。
真野さんは売り場で弾く理由をこう語る。
「山寺で1人静かに弾いていたってだめ、音楽の原点は路上で聞かせること」。
音楽の楽しさを伝えたい強い思いが、電子ピアノ売り場で弾く理由なのだ。
店の迷惑も考えて、1店舗1時間半くらいまでと決め、午前中はベスト電器新宿高島屋店、午後はビックカメラ有楽町店本館、夕方はビックカメラ新宿西口店と場所を変えてピアノを弾いている。
しかし、お店にとっては真野さんに毎日来て欲しい存在になっているようで、ビックカメラの店長のお話では、真野さん目当てで来店する人も少なからずいるらしく、できることなら毎日来て欲しいぐらいだそうだ。
真野さんは、電子ピアノの良さを理解しているから、100台以上はお客さんにピアノを紹介し、大勢の人が実際に電子ピアノを買っている。
店員にもお客さんにもファンは多く、もっと多くの人に彼の曲を聴いてほしいと願っている。
どうだろうか。
いやなニュースばかりを耳にすると、こういう良い話を聞くと嬉しくなってしまう。
これからも元気でピアノを弾いて欲しいものだ。
サンケイのページでは、真野さんの曲も聴けるので、是非ニュースに目を通して欲しい。
2009年6月22日月曜日
登録:
コメントの投稿 (Atom)
0 件のコメント:
コメントを投稿