
早いもので今年もあと僅か。年の瀬だ。
前々から不思議に思っていたが、「年の瀬」の「瀬」ってどういう意味だろうか?
瀬戸内海、浅瀬、逢瀬など水辺の言葉もあれば、機会のような表現もある。本来の意味はどこからきているのだろうか。
辞書を見るとこんな漢字で書かれている。
せ 01【瀬】
①川の水が浅く人が歩いて渡れる所。あさせ。⇔淵ふち。「━を渡る」
②川の流れの速い所。はやせ。「━にのまれる」
③海流の流れ。潮流。「潮━」
④置かれている立場。「立つ━がない」
⑤機会。機縁。場合。「逢う━を楽しむ」「浮かぶ━がない」
⑥そのところ。その点。「憂きにも嬉しき━はまじり侍りけり/源氏柏木」
大辞林 第三版
さんずいが付いているから元々は①の浅瀬を表しているのだろうか。
⑥は広辞苑では、「ふし」とも書かれていて、年の瀬は多分こっちの意味合いなんだろうか。
全体のニュアンスから感じるのは、浅瀬のように流れも早く、常にその状態を留めていない状態を表している言葉だろうか。「逢瀬を楽しむ」なんてまさに短い一時で、あっという間の時間のことだ。
そう考えると、年の瀬も年末の慌ただしさを思えば、うまい表現に思える。
ちゃんと調べれば、言葉の由来も分かるだろうが、1つの言葉を色々考えて見るのも楽しいものだ。
毎年、この時期になると何げなく使っているこの「年の瀬」という言葉。日本語は面白いものである。
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